その距離感に、あたしは一瞬目を細めた。


この2人、いつからこんなに仲良くなったんだろう?


ほとんど毎日学校で会っているのに、気が付かなかった。


瑠衣は女子生徒たちから人気あり、何度か告白される場面を見たこともあった。


そしてその気持ちはあたしも例外ではなく、どうすれば友達の枠から一歩前へ進めるのだろうかと考える事もあった。


しかし実際には友達同士のグループ交際ばかりで、2人で出かけたことなんて1度もなかった。


「モコちゃん、どうしたの?」


夢羽が小首を傾げてあたしを見る。


その声に我に返ったあたしは笑顔を作った。


友達だけど、お客さんはお客さんだ。


ここで不機嫌な顔をするわけにはいかない。


「ううん。2人が来るなんて珍しいなって思ってびっくりしてただけ」


「そうなんだ。今日は偶然街で留衣君を見かけて、それから一緒に遊んでたの」


「へぇ。そうなんだ」


狭い島だ。


同級生と偶然どこかで会う事はしょっちゅうある。


でも、問題はそこじゃなかった。