それからあたしと夢羽は学校であった楽しい想い出話していた。


入学してからたった数か月だけれど、色々な事があった。


入学初日、体育館で先輩が同じクラスの子に大声で告白していたこと。


クラスメートのお調子者の男子が罰ゲームでセーラー服を着て登校してきた時の事。


初めてのテストで、答えの書かれている解答用紙が間違えて配られてしまった事。


思い出してみれば本当にたくさんの出来事があった。


「本当に、みんなといると楽しかったなぁ……」


夢羽が少し眠そうな目をしてそう言った。


あたしは夢羽の両足を切断し、腕の解体に差し掛かった所だった。


「そうだよね。こんなクラス初めてだよ」


そう言いながら、あたしは夢羽の腕にメスを入れた。


スッと線を引くように傷がつき、黒い血液が流れ出す。


メスを置くまで押し込むと、すぐに骨に突き当たった。


夢羽はとても細いから、解体もスムーズに進んでいく。


のこぎりに持ち替えて、骨を切断する。


「なんだかとても心地いい気分だよ」


「そう? それならよかった」


意識の半分が消えているような、トロンとした夢羽の表情。


もうすぐ夢羽はこの世から消えてしまう。