死神喫茶店

ここまで腐敗が進んでいると言う事は、余計な力を入れなくても肉がすんなり切れるということだ。


あたしは女性にベッドに横になってもらい、ビニール手袋とカッパを身に付けた。


腐敗臭を少しでも遠ざけるため、マスクをつける。


ベッドの下には解体用の道具が一式準備されていて、あたしはその中から花壇用のスコップを選んだ。


腐敗が進んでいる『お客様』の場合、チェンソーやのこぎりが必要になるのは骨の解体の時だけになる。


「それでは、これから解体を始めますね」


『お客様』に優しく話しかける。


『お客様』はすでに目を閉じていて、返事もしない。


あとは肉が落ちて成仏するのを待つだけになっている『お客様』だからだ。


わざわざここへ来たのは、街中で腐れきって死んでしまうと周囲に迷惑がかかるからだった。


あたしは肩で深呼吸をして、スコップを『お客様』の腹部に垂直に突き立てた。


想像通り、なんの弾力も感じないままズブリと体の奥までスコップが突き刺さる。


次に臓器や皮膚をえぐるようにしてスコップを引き抜いた。


どろりとした臓器の中に無数のウジムシがはっている。