死神喫茶店

「初めてだからこそ、あたしが一緒で安心できるでしょ?」


少し冗談っぽくそう言ってみると、楓は真顔で大きく頷いた。


「そうだね。モコがいなかったらもっと緊張してたと思う」


「あたしも初めて『ロマン』で働いた日は緊張の連続で失敗も沢山したから、大丈夫だって!」


あたしは明るくそう言い、楓の肩を叩いた。


「そっか……そうだよね」


「そうだよ。だれでも初めては緊張するし、河田さんもそんなに厳しい人じゃないから、安心して?」


あたしが河田さんの名前を出した瞬間、楓の頬がほんのりピンク色に染まった。


「河田さんって、優しい?」


「うん、優しいよ」


あたしは頷いてオレンジジュースを一口飲んだ。


ゾンビ解体とかしているけれど、嘘はついていない。


「でも優しくてかっこいいなら、彼女さんいるよね?」


楓にそう聞かれ、あたしは危うくジュースを噴き出してしまう所だった。


でも楓にとってそれは大問題の1つなのだろう。


バイトを決めた最大の理由は河田さんへの恋心なんだから。


「たぶん、いないよ」