「抵抗するなら、もっと本気で抵抗しないと…」



甘く響く声が、脳を狂わせるようだった。



「男って単純だから」



その言葉と共に、近かった熱が遠ざかる。



瞑っていた目を開けると、タバコに火をつける蒼井さんの姿が目に入った。



煙を吐きながら横目であたしを見た蒼井さんは、



「期待した?」



だなんて。



(ムカつく…!)



「もうっ…ほんとに焦ったんですからね!」



キッと睨むと、ふふんと鼻を鳴らす蒼井さん。



「誰が悪いんだか」