「おお、来たか東野」
「おせーぞ、楓」
かび臭い倉庫の中で既に始まっている殴り合い。
遅いのは当たり前だわざと遅刻するように家を出たのだから。
うすうすは気づいていたと思うが俺は不良だ。
しかもグループの幹部
いつもは何も感じないけんかも奈夢に会えなかったいらだちからかいつもより少々切れ気味だ。
「相変わらずすゲー威圧」
「黙れ」
同期の笠原雄大だ。
こいつは俺が一番荒れている時に出会った奴だ。
金髪に複数のピアス
おちゃらけた口調とは裏腹に喧嘩はめっぽう強くコイツもグループの幹部だ。
俺は八つ当たり気味に相手をなぐる。
「おうおう。なんか楓苛立ってる?」
珍しいこともあるもんだなと関心したような声を出しながらもこいつは背負投げを相手に食らわせていた。
「うぎゃ」
カエルの潰れたような声が聞こえた。
「おい、東野、笠原、撤収するぞ。」
総長の声。
見るとさっき笠原が倒したのが最後だったらしい。
なんか物足りない・・・・
「笠原、」
「なんだ珍しいな。やり足りないって顔してるぜ。」
ニヤリと笑ったそいつは俺の心情を当ててくるものだから侮れない。


