「もういなくならないでね。」
「ごめん優。」
「いいよ。ナムが思ったより元気そうで安心した。」
久しぶりにゆうとこんなに話したな。
再会したときは
あまりゆっくり話せなかったし・・・・
「それにね、楓君も心配してたんだ。」
一気に体がこわばる
「楓が?」
そんなはずない。
楓は私のせいでいじめられたんだと言っていた。
だからいじめの原因になった私がいなくなって逆に喜んでると思っていたのに。
「・・・・でも」
私は優に不安を口にしようとした。
また拒絶されてしまうのではないだろうかと
それに楓の言うことが本当なら楓の望む通り私が近づかない方がいいんじゃないのかと。
「・・・・でもは無し。」
「・・・・・・楓はきっと私に会いたがらないよ。私だって楓にもうあんなこと言われたくない」
もしまた同じことを言われてしまったら
きっと私は壊れてしまう。
今の私は八年前と違い弱くなった。
男女の違いだけじゃない。
心身ともに・・・・・・
昔の私のほうが度胸があった
「言ったでしょ。楓君引っ越したあと様子がおかしかったって。
ナムのこともすごく心配してたし」
励ます優の言葉もどこか遠くに聞こえる。
「だからさっさと仲直りしてきなよ。
楓くんもきっと勢いで言っちゃっただけだし。」
優はそう言うけど私はまだ怖い。
『もう、俺に話しかけんなよ』
私の中でこの言葉が呪いのように絡みついて離れない。
ああ、私は思っていたよりも深く傷ついていたんだ。
そう自覚せずにはいられなかった。