サプライズは、パーティーの後で ~恋に落ちた御曹司~

翌朝、リビングの方で物音がして目が覚めた。

まだ早い、六時にもなってない。

もう少し寝たい気持ちを押さえて起き上がる。


ドアを開けると、すでに、真っ白なワイシャツに着替えた井上さんがキッチンにいた。

「えっと……」

いつもの朝と全然違って、まぶしすぎる。


昨日、迷惑をかけたことと謝ろうと口を開いた。

彼は、私の方をちらっともみないで言う。

「コーヒー入れてあるから、テーブルのカップに入れて」

「はい」

「卵とサラダの簡単な食事だけど、これでよければ」
手際よく、皿に盛ってくれる。


「ありがとう。それから、あの、井上さん昨日は……ごめんなさい」

やっぱり私の方を少しも見ようともしない。


「そのことは、後で話し合おう。悪いんだけど、これを食べたらすぐに出かける。君も着替えて一緒に部屋を出てくれるかな」

「はい」

食事を終え、コーヒーを流し込んだ。



井上さんが、自分のお皿と一緒に、私の分もシンクに持って行った。

「片づけておくから、早く着替えて」

「はい」

すごすごと寝室に入って昨日着てたスーツを着る。
すぐにでも出て行ってほしいみたいだから、口紅だけ引いて寝室を出た。