「青木って彼女いないんだよね」
久美子が、いきなり言い出して、青木君を慌てさせた。

不意を突かれて、青木君慌ててる。
「おい、今ここで話題に出すなよ」

私も、からかわれた腹いせにいう。
「店舗の子でしょ?可愛かったのに、どうしたの?」

私が竜也と付き合い始める始めないで、久美子と言い合っていたころは、彼一人、幸せをかみしめたたはずだ。

「仕事忙しくて、すれ違っちゃったって」
慌ててる青木君に代わって久美子が答えた。


「それは、残念ね」
二人で同時にため息が出る。

「どのくらい、そうしてるの?」
彼は、いい人だ。


「もう、半年になるかな」


「そっか」


好きな子がいるとその子を大事にするし、好きな相手がいれば、それだけで生活が潤う真面目な人なのだ。

ずっと傍で見てたからよくわかる。


まあ、いろいろあるさと彼が締めくくった。
人当たりがよくて、背もそれなりに高くて、性格もいいし。
見た目も爽やかな彼なら、すぐに次が見つかるよ。


「じゃあさあ、青木。景気づけにそのうちに幹事会結成式やろう」


「わかったよ」

食事を終えると、
「じゃあ、俺、先に戻るから」と言って、青木君が出て行った。