サプライズは、パーティーの後で ~恋に落ちた御曹司~

自信満々で、返事を待つ彼。


「ここは、二次会なんてするより、結婚式を挙げた方が素敵ね」
もちろん、パーティーも素敵だけど。
バルーンを飛ばすの。一度やってみたい。


「花澄は、ホテルより、こういう一軒家で式を挙げた方がいいのか?」
そうかって、ため息をついて考え込む彼。


比べられるくらい結婚式、何度も挙げられたらいいけどね。


「ホテルも素晴らしいんだろうな。まだ見てないから、比べられないけど」
私は、素晴らしいお庭を横目で見ながら言う。

なんて贅沢な発言だ。
井上さんといると、感覚がマヒしてくる。


「じゃあ、ホテルも見に行くか。どこのホテルがいい?」


「ん?」


まだ、行くんですか?

花嫁より真剣ですけど。
どういう心境の変化でいらっしゃいますか?


「でも、十二月よね。式を挙げるのは。ここでやるなら、お庭は諦めなければいけないかも」


「うん。それはそうだ。それを言うなら、この会場は好ましくない」


「どうして?」


「仕事上、付き合いがないからだ。ここの家具は最高級品だ。だから、うちで扱ったものがない。でも、見てみろ。家具の配置とか、部屋の雰囲気とか、どれも素晴らしい。勉強になるよ」


「会社で扱ってないからって、結婚式の会場を選ぶのに、どうしてそこまで考慮するの?うちの会社に、どうしてそこまで気を遣うの?」


「気を遣うって。ここで商売やってるんだから、当たり前だろ」


「へええ。じゃあ、井上さんの相手は、そういうのちゃんと理解してくれる人じゃなきゃダメだね」