彼は、まだ私の体を抱えたままで言う。
「そんなこと、誓えるか。キスはしたい時にする」
「じゃあ、離してください」
私は、彼の胸を押して離れようとする。
「んん……わかった。今は、君のいうことを聞く」
離れた距離の分、彼が引き寄せる。
「寂しいのは、同じですから。もう少し付き合います。でも、キスは、好きな人にしか、しないでください」
彼が、納得して頷いたのを見て、体の力を抜いた。
すかさず、私の額に素早くキスをするのに成功すると、とニヤッと笑った。
そのあと、雰囲気のいいBARに入った。私は一杯だけ付き合うように飲んで、結局、車で送ってもらって帰った。
彼は、最後まで紳士的に振る舞って、大人しくドアを閉めるまで見送ってくれた。
これでしばらくのんびり出来ると思った矢先に、彼の声がした。
「来週も出かけるから、開けておけよ」
「はあ?」
彼は、私の返事を聞くまでもなく、さっさと行ってしまった。
ドアが閉まってから、いったい何やってるんだろうと考えたけれど、眠くて仕方なかった私の瞼が耐えられたのは、シャワーを浴びるまでだった。
後は、何も考えずにぐっすり眠れた。


