サプライズは、パーティーの後で ~恋に落ちた御曹司~

そういえば、井上さんが言ってたこと思い出した。


そういえば、二次会の幹事を引き受けてしまったから、結婚式には出なきゃ行けないと思ってたけど、そうじゃないんだ。

逆に、式に出ていたら、同じ日に行われる二次会の準備ができないから、欠席してもいいってことだよね?


なあんだ。式に出なくていいかもしれない。

そう思うと少し元気が出た。


これから、お昼には、営業のフロアにいる同期の石田久美子とランチの約束をしてるし。


楽しいことを考えよう。


結局、午前中いっぱい竜也は戻ってこなかった。



別に。困ることなんかないから、どうでもいいけど。


”お昼に行ってきますって ”メモを残して下の営業のフロアまで下りる。


フロアに入って真っ先に、井上さんの存在確認をしたけれど、遠くの方で何やら一生懸命上司と話し合ってたから、こっちまで来ないだろう。

平気、平気。

私は、なるべく目が合わないように、背中を向けて、目立たないようにして、久美子のとこまでたどり着いた。

そういえば、今まで、久美子と月に何度もこうして待ち合わせてたのに、井上さんの顔、全然覚えてない。

このフロアでもすれ違ってたかな。