「最後の質問だけど。もし、俺がこの結婚を機に、お袋の怒りをかって一文無しで追い出されたらどうする?」
「別に」
「別にってなんだ?」
「どうもしないし、どうなろうと気にしない」
「何だよ、気にしないって」
「私は、真裕が、健康に過ごしてて、毎日家に帰ってきてくれたらそれでいい」
「そうだろ?それ、本気で思っててくれるんだろう?」
「もちろん、でも、働いてくれないのは嫌だけど」
「そっか。じゃあ、嫌われないように一生懸命頑張るよ。その話をちゃんとお袋にしてやりな。資格はそれで十分だ」
「ん……」
「生涯ずっと君を愛していけるかどうかは、難しい問題だけど。何とかなるだろう。俺の立場で、君みたいに考えてくれる人は本当に少ないんだ。それに、こんなに退屈しない人は珍しい。こんな俺にとって完璧な人、もう現れないと思う」
「ん……」
「えっと、それから、俺はもう、君の質問に三つ答えたよね?」
「そうね」
「これから、少しでも不安になったらすぐに解決してあげるよ。不安だって言う度に、まず、一回な。拒否権なし。それで、今回は質問三回したから三回な。どんなシチュエーションでも、断れない。俺の好きにする」
「何のこと?」
「とりあえず、キッチンかな……それとも、会議室?コスプレもいいな」
彼が、にじり寄ってくる。
「ちょっと、何考えてるの?」
「だから、そういう余計なこと考えてる余裕をなくしてやるって事。取りあえずこっち来いよ。不安なんか全部忘れさせてやる」


