「それって、俺のせいだよね」
彼の皿に盛った、ミートスパゲッティは、すでに半分なくなっている。


「青木君、声が弾んでるって」久美子がたしなめる。


真裕さんと別れた次の日、久美子をランチに誘ったら、なぜかタイミング悪く青木君までついてきた。
すぐに話をしなくては、そう思ってた。
私の様子を見て、久美子は何かあったと感付くから。

それに、いつかは話をしなくてはならないんだったら、早い方がいい。


「青木君が何かしたって言うより、より現実を見たら、無謀な付き合いだったの。それだけ」


「そうかな、御曹司は本気だと思うけど」
青木君が何気なく言う。


「本気なのは、別にいるの。身代わりなんて、いつまで続くかわからないし、期待して裏切られるのは、二度とごめんだから」

「それなら任せてよ」

青木君の無邪気な横顔を見てると、ふと、井上さんの顔がちらついた。
私は、それを笑ってごまかした。