いつものイタリアンレストランの店に入ってすぐ、久美子が大丈夫なのって、すぐに聞いてきた。別れ話をしたから、大丈夫じゃないって久美子に言った。


「別れたって、なに?あんた達、そもそも付き合ってたの?」

細かいことは、追々話す。
今は、何も言いたくない。


何となく、気分がむしゃくしゃしてて、思い切って景気づけに大盛スパゲッティを頼んでみた。
一口分を、フォークに巻き付けてみたけれど、無謀だった。全然減らない。


「付き合っているとは言えなかったから、何て言ていうんだろう。関係なくなったかな」

口に入れてみると、さらに食欲もなかったことに気付く。
すでに、いっぱいいっぱいだった。


「本当にそれでいいの?」

勢いで、ガッツク作戦はあきらめて、隣にいる青木君に半分貰ってもらうことにした。

「いいも悪いも、私一人で、決められることじゃないもの」
私は、ナプキンで口を拭う。