サプライズは、パーティーの後で ~恋に落ちた御曹司~

実家で楽しそうな話をしているみたいなのに、私への連絡は一切ないってどういうこと?

メールの一つもなく、こういう時にがぎって、前のように会社のフロアで顔を合わせることもないし。

井上さんの考えてることは、よくわからない。

私なら、母親に着飾った恋人を見せる前に、その恋人に先に付き合ってくださいって言う。

私だけじゃない。世間一般の人はそうする。

多分、百人中99人はそうすると思う。

ということは、私は残りの1%を好きになったってことだ。

「はああ」

最近の疲れる原因は、ここだ。


何考えてんだ、あの男。

釈然としない。なんかある。


どことなく、策にはまった感じ。

気が付いたら網にかかってるとか。

何の網だって。





金曜日に、会社の近くの居酒屋を3人で予約した。

ちょっと打ち合わせを兼ねてるから、個室にしてもらう。

連絡するのも遅かったし、誰も来てないだろうなと思ったけど、やっぱり私が一番乗りだった。


彼らがくるまで、言われたみたいに、振り分けて考えてみよう。

大まかな予算と、余興に使えるお金、それから記念品やお礼に使うお金。

私は、テーブルの上で、資料を出して見ていた。


「あれ?どれが使えるお金だっけ?」

いまいち、自信が持てない。


「ああ、もう。考えることは、山ほどあるな」
一息つこうと思って、先に注文してたビールを一口飲んだ。

ちょっと、フライング。

でも、喉、乾いたんだもん。


「花澄ちゃん?いる?」


「うん。待ってたよ。早く来てよ」


ふすまがガラッと開き、青木君が入って来た。


「どうしたの?いきなり頭抱えて」


「あ、来た来た。これ見てよ。どうしたらいい?」


青木君が隣に座ったから、彼にも見えるように資料を置いた。