「そう! 実はね、あたしの家のおじさんが海辺に旅館を建てて! 一般のお客さんの前にテスト的な感じでどうかって言ってくれたの」

「へー……それはすごい話だね」


普通に泊まるより安心だし、値段も優しいかもしれないし。

葵のおじさんがそんなことしてる人だとは思わなかったから驚いたけれど。


「だからね、6人で行かない? って茜と話してたの!」

「のーっ!」


いえーい、と謎のハイタッチをする葵と茜。

一瞬忘れてた嫌な予感がより現実味を増す。


「え……えーっと……6人って言うのは……?」

必死に笑顔を取り繕って聞いてみる。


「やだなー! 私と葵と柚希と、お互いの彼氏さんとに決まってんじゃんっ!」

「写真は見せたりしてるけど、実際お互いの見るのは初めてだもんね、楽しみ!」


楽しげに答える茜。

それにつけ足すように言う葵。

それを聞いて一瞬にして口角が引きつる。


やばい……この状況はやばい!