「どうする? 何か食べるものでも買う?」 「うんそうだね、何がいいかなー」 そんな健人の提案に乗って、食べ物が売ってある通りのほうを目指す。 「あ、氷」 暑さに弱いわたしはついその涼しげな旗にロックオンしてしまった。 「あぁいいね。彩奈何味?」 「わたし抹茶かなぁ……って、いいよ自分でお金出すよ!」 脊髄反射で答えてから気づく。 おごられる理由なんてないのに。 だけど次の瞬間。 健人は、バッグから出しかけたお財布を落としてしまう。 なんだか少し辛そうに顔をゆがめて。