「だ、大丈夫……歩けます。あの、1年2組なんですけど、行き方だけ教えてもらえれば……先生も、授業遅れちゃう」
距離に耐えられなくて、視線を下にそらしながら言う。
だけど先生はそんなわたしの気持ちに気づいていないのか、目を合わせようとますますしゃがむ。
「あぁ、1-2の子か。いいよ俺ちょうど今からそこで授業だから一緒にいこ」
切れ長の目を細めて笑う先生についどきっとする。
いつの間にか倒れていた松葉杖を拾って、手渡してくれた。
高校の先生ってこんなかっこいいの……!?
「ごめん確か会議で名前聞いたはずなんだけど忘れちゃった。俺基本会議中数学解いてるから……」
「え……それいいんですか!?」
「あ、主任には内緒ね」

