教室と、初恋。



わたしは入学式の数日前、交通事故にあって片足を骨折してしまった。


少しだけ入院もしたから、みんなより2日遅れた入学だった。



その3日目も、午前は病院によって遅刻しての登校。


目立ってしまうなぁ……とすごい憂鬱だった。



お昼休みに職員室によって午後からの出席だったけれど、わたしは初めての校舎に迷ってしまった。


しかも松葉杖をついていたから、歩くのも大変で……。



つい廊下で壁にもたれかかって歩くのをやめてしまった。


初めて聞いた学校のチャイムに、余計憂鬱になる。



そんなとき声をかけてくれたのが、篠崎先生だった。



「……君。どうした? 何年何組?」