教室と、初恋。




そう言うしかなくって、素直に従う。


階段の上までたどり着いたとき、わたしたちの手は長くつないでいたから少しくっついてしまっていた。


それからすぐ教室に着いた。



だけど遅れて、しかも先生と一緒に来た人なんて当然目立って。


少し教室はざわついた。



だけど先生は、わたしを入院していた新入生だとみんなに紹介してくれて、

しかもわたしだけ目立つなんてことがないように、その数学の時間をすべて使ってクラスみんなの自己紹介の時間にしてくれた。


その先生の配慮のおかげで、悪目立ちすることなく、だけど授業後にはたくさんの子がわたしに話しかけてくれて、いいスタートが切れたと思う。



だからその頃からわたしは、一番好きな先生はずっと篠崎先生なんだ。