教室と、初恋。



指をわたしの手のひらに絡めて、下から支えるように握られた手。


男の人の指の感じに、無条件に顔が熱くなる。



「い、いや先生……! 手……!」


「こうした方が体重掛けやすいでしょ。全然使っていいから」


「そうだけど……」



あなたのせいで驚いて転びそうだったんですけど!


顔も火照るし、手なんかつないでたらどきどきしてるのもばれてしまいそう。


男の人と付き合ったこととかないから免疫が……!



なんて思ってると、2回目のチャイムが鳴った。


「本鈴……!」


ますます慌てて階段をのぼる。


片足ずつ、ぴょんと跳びながらだからどうしても遅い。