「ニャーニャー」

卯月も嬉しそうに白雪に触る。
ペロッと舐められるとキャハハッと笑っていた。

全員唖然となった。

えっ?もしかして白雪は、卯月を謝らせたくて
わざと棚の上に登ったの?

まさか……でも、それなら辻褄が合う。

猫かそんな知恵があるのか分けないと思いつつも
見ていると睦月君が

「卯月に謝らしたかったみたいだよ?
白雪。謝ったからもういいってさ」

そう言って教えてくれた。

「睦月君。白雪の言っていることが分かるの?」

私が尋ねると

「……なんとなく」

首を傾げながら応えてきた。

なんとなくって……曖昧な。

結局、謎のままこの騒動は、
終わってしまった。

それ以降。白雪は、遊び以外
棚の上に登ることはなくなった。

あれは、何だったのだろうか?

卯月に関しては、睦月君が白雪は、
叩くものではなく撫でるものだと
教えてあげたため
無闇に白雪を叩くことはなくなった。

今では、すっかりいい友人関係を築き上げていた。

「ニャーニャー」

撫で撫でしてあげるとゴロゴロと喉を鳴らして
一緒に遊んでいる白雪と卯月。

まぁこれは、これで良かったのかもしれない。

私は、クスッと微笑んでその光景を見ていた。


END。