しかし手に持っているのは、虫取り網。
まさか、これで捕獲する気なの!?

いいアイデアと言いたいけど
そんな強引な事をして
余計に警戒されないかしら?

心配になってきた。

すると茉莉華ちゃんが

「本当に拓馬は、野蛮人ですわね。
そんな強引なやり方したら
逆におりて来なくなりますわよ?」

呆れたように言う。

「はぁっ?そんなの取っ捕まえれば問題ないだろ。
じゃあお前は、どうする気だったんだよ?」

「私は、これを持参しましたわ」

そう言い手提げカバンから取り出したのは、
高級キャットフードだった。

これは、また高そうな……。

「はぁっ?お前……食べ物で釣る気かよ!?
また単純な……」

拓馬君は、呆れたように言った。

「あら、普通のキャットフードでは
ありませんのよ!?
これは、ウチのハリーが食べている高級品ですの。
こんな高級品に縁が無さそうな白雪なら
きっと食いつくはずですわ」

茉莉華ちゃんは、自信満々に言ってきた。

何気に酷いことを言っているような……?

「白雪は、お前ん家みたいに
馬鹿猫ではないだろ。無理無理」

「ちょっと拓馬!?
人のペットに馬鹿猫呼ばわりしないで下さいまし。
ウチの猫は、血統つきなんですのよ」