「別にいいや。こっちの方が面白そうだから。
睦月も居るし」

拓馬君は、キッパリと言い切った。

そう……。

相変わらずハッキリしていた。

「早く入ろうぜ。
いやー気になってたんだよ。
俺ん家よりデカい家に住む奴に。
どんな成金野郎かと思ってさ」

ガーン!!

成金野郎……って!?

その言葉にショックを受けた。

「成金……なの?ウチって」

睦月君が不思議そうに首を傾げる。

「ち、違うわよ!?
先生は、売れっ子ベストセラー作家なんだから。
ちゃんとしたお金持ち……」

いや、あれ?
成金なのだろうか……?

今さら疑問に思ってしまう。

「どっちでもいいんじゃねぇーの?
そんなの。
それよりもあっちを見てみようぜ。睦月」

そう言いバタバタと中に入って行く
拓馬君と睦月君。

ちょっと!?

疑問をぶつけてきた拓馬君が、
どっちでもいいって

私は、唖然とする。

「あの……見学は、よろしいのですか?」

「あ、すみません。見学します」

担当の人に言われて我に返った。