あ、拓馬君だ!!
すると拓馬君も私に気づいた。
「あれ?睦月と涼花おばちゃんじゃん」
最近、涼花おばちゃん呼びになっていた。
相変わらずのおばさん扱いだ。
「こんにちは」
「こんにちは。何してんだよ?
こんなところで……」
不思議そうに尋ねてきた。
「この家を見に来たのよ。
引っ越そうと思って……」
「えっ!?マジマジ?
いいじゃん。ここに引っ越せよ!!
そうしたら毎日のように睦月と遅くまで遊べるし」
嬉しそうに言う。
確かに、ここに引っ越せば睦月君にとって
最高の環境だろう。
友達が近くに居てくれると心強い。
「とりあえず中身を見てからね?」
確認してからではないと決められない。
「じゃあ、俺も見てもいい?
ここの家……空き家だったから気になってたんだよ。
中がどうなっているのか」
目をキラキラさせながら言う拓馬君。
えっ?
彼の言葉に驚いた。
「別にいいけど……。
公園に行く予定ではなかったの?」
今さっき公園に行くって言っていたのに。



