「こちらからリビングが見渡せるため
お子さんを見ながら料理が作れます」

男性の担当さんが説明をしてくれた。

なるほど……これなら
睦月君と卯月の様子を見ながら家事が出来るわね。

試しにその位置に行くと確かによく見えた。

睦月君は、リビングに居たが
私に気づくと手を振ってくれた。

フフッ……可愛い。

「可愛い息子さんですね」

それを見ていた担当の人もクスクスと笑っていた。

庭もあるし……。
間取りは、少し狭いかな?

チェック、チェック。

次は……あら。家から近いわね。

もう一軒家の場所に案内してもらうため移動する。
その家に着くと睦月君が私の服を引っ張る。

「どうしたの?」

「……拓馬の家……」

えっ?

向かい側の一軒家を見ると確かに拓馬君の
自宅があった。

あ、本当だわ!?

何度かお邪魔した事があるから知っている。
だとするともしこの家にすると
拓馬君の家族とご近所さんになる訳か。

すると拓馬君の自宅のドアが開いた。

「母ちゃん。公園に行ってくる」

「あ、待ちなさい。母さんも行くから」

拓馬君が話ながら出てきた。