「本当になんとなくなの?」

もう一度聞いてみるが
睦月君は、コクりと頷いた。

それだと私では分からない。
うーん。

しばらくそんなやり取りをしていたら

先生がリビングに入ってきた。

あっ!!
やっぱりうるさかっただろうか。

「せ、先生。すみません。
うるさかったですか?」

慌てて謝罪する。

「まぁ、確かにうるさいが……そこじゃねぇ。
ちょっと出掛けてくる」

「えっ?どちらに?」

「野暮用……すぐに戻ってくる」

先生は、それだけ言うと出掛けてしまった。

何処に行ったのかしら?

先生が1人で出掛けるなんて珍しい。

その後しばらくしても
先生は、戻って来なかった。

遅い……何かあったのかしら?

心配そうに時計を何度も見る。

「パパ遅いわねぇ~」

「…………。」

手伝って私の代わりに卯月にミルクを
あげてくれる睦月君だった。