「そんな事を言っている場合ではありませんよ!!
私、妊娠したんです」

慌てて報告をした。
すると先生の動きがピタッと止まった。

「それ……マジで言っているのか?」

「大マジです!!」

私は、はしゃぎながら言った。
先生の横で一緒におにぎりを作っていた睦月君は、
きょとんとしていた。

「……赤ちゃん……?」

突然の事で若干
意味が分からなかったらしい。

「そうだよ。
睦月君は、お望みのお兄ちゃんになるんだよ。
妹かな?弟かな?楽しみだね」

お腹を触りながら伝える。

すると睦月君は、私の腰のまわりに
ギュッとしがみついてきた。

フフッ……可愛い。

「来年の4月に産まれるんだって。
楽しみだねぇ~」

優しく睦月君を抱き締めてあげる。

まだ性別も安定もしていないけど
嬉しくして仕方がない。

やっと睦月君に兄弟を作ってあげれた。

クリスマスにお願いした
睦月君への遅れながらプレゼント。

チラッと先生を見る。
すると私の頭をポンポンと撫でてくれた。

「良かったな。涼花」

そう言った先生は、ちょっと
照れたように笑っていた。

「はい。」

私も嬉しくて微笑んだ。