氷の魔女の春さがし

 窓辺の雪がすっかり消えて、春が来たことに気づいた村人達が次々に家から飛び出してくる。

 父はスリサズからレンズを取り上げ、さっとポケットにしまい込んだ。

「神様の姿は、人間がむやみに見てはいけないんだ。
 このレンズは私が作った世界に一つしかない特別な道具でね。
 こんなものが存在するなんて噂が広まれば、神様にひいきされたがる悪い人間を呼び集めてしまうんだよ。
 だから秘密にしないといけないんだ」

 ……この話も、当時のスリサズには理解できなかった。