ルンルン気分で部活に向かう。
「ゆず、ゴキゲンじゃん」
体育館でも私のニヤニヤは止まらない。
男バレ部員からも茶化される。
「ゆず最近、高遠につきっきりだから寂しいんですけどー」
「そうそう。全然こっちの練習見てくれないし」
そう言いながら肩を抱かれそうになる。
でもこんなの、男同士で肩を抱くのと同じ感覚。
いつも通りのやり取り。
いつも通りの光景。
その時、背後から首に腕を回され、私の体が後ろに傾く。
「ぅわっ…」
「すいません、先輩。毎日柚香先輩を独占しちゃって」
首に回された硬い両腕、頭のすぐ上から降ってくるゾクっとするほど愛しい声。
「たーかーとーおー。お前遠慮して、こっちの練習にゆずをよこせ」
「それは無理ですよ。だって俺、怪我してるから1人じゃ練習できないんですよ」
首っ!首っ!
腕っ!腕っ!!
ちょっと3人とも、このままの状態で話してるけどおかしいでしょ!?
3人でひとしきりギャイギャイ(といっても高遠くんは冷静だけど)言い合って、2人は去っていった。
「先輩、さっき肩抱かれそうになってたでしょ。無防備すぎ」
耳元で囁かれて、顔から湯気が出る。
「また耳まで赤くなった」
そう言って、高遠くんは離れた。
そりゃ耳まで赤くなるよ。
だって、肩抱かれそうになるのを阻止しに来たってことでしょ?
(やっばい…キュンキュンする…!!)
抱きつきたい衝動を抑えるのが大変。
クールなようで結構ヤキモチ焼きっていうギャップがたまりません。
(そのうちキュン死にするかも、私)

