「いいですよ、もう少しこのままで」 今度は優しく抱きしめられる。 バクバク音を立ててた心臓が少しずつゆっくりした鼓動になっていく。 トクン、トクンって鳴ってるのが聞こえる。 「先輩、落ち着いてきましたね。心臓の音がゆっくりになってきた」 優しい声。 その声に、更に気持ちが落ち着く。 「先輩」 人差し指の第二関節で顎をくいっと上に向けられる。 高遠くんと目が合う。 「返事、聞かせてください」 高遠くんの瞳が少し揺れた。