好きって言ったら信じてくれる?


その期待はすぐに裏切られることになったのだけれど。


最初は気のせいだと思った。


学年も違うし、会う機会が減るのはわかっていたから。


でも、だんだんと確信した。


水野は僕を避けている。



一度、水野が向こうから友達らしき女の子と歩いてきたことがあった。


「水野」


確かにそう声をかけて微笑んだはずなのに、水野はこちらをちらりと僕のことを見るとそのまま何事もなかったように、でも少しだけ早足で歩き去った。


正直、ショックを受けた。


今までの自分の行動は迷惑だったのだろうかと。


目も合わせてくれない。



確かに、もう体育祭の仕事は終わったし接点もなくなった。


でも、本当にスルーされるとは。なかなか精神にくるものがある。



距離をおこうか。


ふとそう思った。


もうすでに向こうから置かれてる気もするけれど。


水野が僕を避けるのなら、僕もできるだけ水野に会わないようにしよう。


ただ、同じ委員会の先輩と後輩。


会ったら挨拶をするくらいの関係。



多分、早まりすぎたのだ。


好きだなんて、言うんじゃなかった。


今はただ前みたいに一緒に仕事して一緒に笑う。


そんな関係が懐かしかった。



でも水野を意識的に避けてみてわかったことはひとつ。


ただでさえ、水野に避けられてるのに僕まで水野を避けたら本当になんにも接点がない。



言うまでもない当たり前のことなのだけれど、どこかで向こうも会いたいなんて思ってくれるのではないかと思ってた。



変に気づかって距離をおいて、もう二度と話さなくなるくらいなら、たとえ、迷惑と言われても側にいたい。



もし、次に水野と会ったら。



そのときは、もう。全力で。


落としにいくから



誰に言うわけでもなく、一人そっと呟いた。