その数秒後だった。


「……帰ります」


「陸くん、待って!」


ママが何かを言おうとしたけど、それに陸が答えることがないまま、ドアがバタンと閉まる音がしたのは……。


「愛理、よかったね。陸くんが送ってくれたんだよ」


その後、あたしの頭を軽く撫でてママも部屋から出て行った。



「グスッ…」



ママの質問に答えなかった陸。


否定しないってことは肯定ってことだよね?