顔を近づけ、キスをしようとした。



「やめてったら!」



───ッ…



だけど、俺の唇に感じたのは氷のように冷んやりした美華の頬で。


俺にキスされると思った美華が首を横に振り唇を避けた。



「どうして?こんな…陸…キライ」



その言葉と怒りが込められた瞳がダイレクトに胸に突き刺さって…痛てぇ。


自分の唇に残ったのは悲しい冷たさだけで


これが俺が生まれてはじめてしたキスだった。



「今すぐ帰ってっ!!」



俺を下から睨みつける…今まで見たこともない美華の冷たい瞳。


これ以上、それを見ていられなくて俺は立ち上がり、背を向けてこう言った。