涼「2つ目。“暴走族”ということを絶対に明かすな。これも記憶喪失のことがあるからだ。」

一息ついて、涼がまた話し始めた。

涼「最後に、陽愛を絶対に悲しませるな。これは長年陽愛を見てきたから言えることだ。陽愛は今までたくさん苦しんできた。だから陽愛を悲しませたらただでおかねーから。」

数秒間屋上には沈黙が流れた。

それを最初に破ったのは蓮だった。

蓮「わかった。絶対に守る。」

それに続いて健人、春、類、夏樹、隼人も続いて守るという意思を伝えた。

それを見て今まで真剣だった涼の顔も微笑みに変わった。

涼「お前らならそう言ってくれるって信じてたよ。どうせ、姫にするんだろ?陽愛のこと。月と星の事はいいのか?」

蓮「ああ。俺達は一人の人間として陽愛を姫に迎え入れたいと思った。だから敵の妹だろーが関係ねー。」

そう言った蓮の顔は真剣でその思いは強く涼の心に届いた。

涼「そうか、なら俺はお前らに陽愛を任せるよ。」

ニカっと笑った涼を見て蓮たちは安心した。

涼「じゃ、陽愛も帰ってくるしおれは仕事に戻るよ。」

きっとこいつらなら…。

ボソッと言った涼のつぶやきは誰の耳に止まることなく流れていった。