目が覚めると、朝になっていた。
「…あれ?」
家で普段飲むことはあったが、たいてい缶ビール1本で終わる。
昨日はどれだけ飲んだかわからない。
気分がそれほど悪くないところを見ると、悪酔いはしていないようだ。
自力で帰って、布団で寝られたらしい。
ふと、洗面で鏡を見て、なにかを言われてから記憶がないと気付いた。
悩んだが思い出せない。
出勤時間は曖昧で、締め切り前は早目だが、
タイムカードがあるわけではないので、10時くらいに着けば文句は言われない。
いつも通り動きやすいデニムのパンツと薄手のセーターに着替え、薄目のダウンを羽織る。
髪は伸ばしたことがない。ショートヘアをざっくりととかすと、
アパートを出て自転車を走らせる。
自分は外に出ることもないのでいい加減だが、
外に出るなら、最低限、身なりはきちんとすることだけは言われていた。
「巧くん?」
部屋の前で、見覚えのある青年がドアの前に立っていた。
インターホンを押した後らしく、扉が開き、木下が顔を出す。
「ああ、直見さん、おはようございます」
「おはようございます」
職場では、年齢の上下関係なく、丁寧語で話すようにしている。
とくに業界は、昼夜関係なく、顔を合わせたら、おはようございます、だった。
「…あれ?」
家で普段飲むことはあったが、たいてい缶ビール1本で終わる。
昨日はどれだけ飲んだかわからない。
気分がそれほど悪くないところを見ると、悪酔いはしていないようだ。
自力で帰って、布団で寝られたらしい。
ふと、洗面で鏡を見て、なにかを言われてから記憶がないと気付いた。
悩んだが思い出せない。
出勤時間は曖昧で、締め切り前は早目だが、
タイムカードがあるわけではないので、10時くらいに着けば文句は言われない。
いつも通り動きやすいデニムのパンツと薄手のセーターに着替え、薄目のダウンを羽織る。
髪は伸ばしたことがない。ショートヘアをざっくりととかすと、
アパートを出て自転車を走らせる。
自分は外に出ることもないのでいい加減だが、
外に出るなら、最低限、身なりはきちんとすることだけは言われていた。
「巧くん?」
部屋の前で、見覚えのある青年がドアの前に立っていた。
インターホンを押した後らしく、扉が開き、木下が顔を出す。
「ああ、直見さん、おはようございます」
「おはようございます」
職場では、年齢の上下関係なく、丁寧語で話すようにしている。
とくに業界は、昼夜関係なく、顔を合わせたら、おはようございます、だった。