直見の部屋の電話に、巧の慌てふためいた留守電が入ったのは、
その夜8時頃。
風呂を出たところだった。
「どうしましょう??直見さん!!原稿が!!原稿がなくなっちゃったんです!!!!」
意味が分からず、髪を拭いていたタオルの手が止まる。
録音の最中だったので、とにかく受話器を取った。
「何?どうした?」
「あっ、直見さん!!よかった繋がって!!原稿が、なくなっちゃったんです!!どうしましょう???」
「とにかく、落ち着いて!」
ただごとではない状況だけは、なんとか飲み込む。
血の気が引いてきた。
「先生には?編集部には?連絡した?」
「まだ、まだです……怖くて」
「バカ!!私より先生が先でしょうが!!電車かなんかで置いたとか、覚えてないの!?」
「…あの、あの後、里花さんに誘われて、飲みに行って」
言いにくそうに。
はーっとため息をつく直見。
舞い上がっていたのが手に取るようにわかる。
巧の性格からして覚えているはずがなかった。
その夜8時頃。
風呂を出たところだった。
「どうしましょう??直見さん!!原稿が!!原稿がなくなっちゃったんです!!!!」
意味が分からず、髪を拭いていたタオルの手が止まる。
録音の最中だったので、とにかく受話器を取った。
「何?どうした?」
「あっ、直見さん!!よかった繋がって!!原稿が、なくなっちゃったんです!!どうしましょう???」
「とにかく、落ち着いて!」
ただごとではない状況だけは、なんとか飲み込む。
血の気が引いてきた。
「先生には?編集部には?連絡した?」
「まだ、まだです……怖くて」
「バカ!!私より先生が先でしょうが!!電車かなんかで置いたとか、覚えてないの!?」
「…あの、あの後、里花さんに誘われて、飲みに行って」
言いにくそうに。
はーっとため息をつく直見。
舞い上がっていたのが手に取るようにわかる。
巧の性格からして覚えているはずがなかった。