ラグタイム2号店

殴られることを覚悟していたら、
「来年の春辺りに『ラグタイム』の2号店オープンを考えているんだ。

その2号店をお前に任せたい」

そう言った大輔さんに、俺は顔をあげた。

2号店を任せるって、俺が?

何かの間違いではないかと思ったから、驚いた。

「…いいんですか?」

俺が質問をしたら、
「ずっと前から考えていたんだ。

どの道、お前はもう俺から離れないといけない。

静絵さんと2人で生きて行くと言うなら、その方がお前のためになるだろう」

大輔さんが答えた。

「俺を許してくれるんですか?」

続けて質問をした俺に、
「ただし、ここを越えるくらいに店を繁盛させろ。

それがお前がやるべきことだ」

大輔さんが答えた。