「眞紘の反応を見るのが、怖い?」


「うん…。戸惑わせちゃうだろうし、気まずくなりそうだから…。」


「そっか…。」


矢口くんは小さく呟くと、私と同じ目線になるように背を屈めた。


「眞紘と、ずっと幼なじみのままで…本当にいいの?」


「うん…。」


「この先、好きって気持ちを抑え続けていける?眞紘が、白石以外の女と付き合うことになったとしても、それを穏やかに見守っていけるのか…?」


「…………。」


眞紘くんに彼女…。


いずれは、眞紘くんだって誰かと付き合うことになるよね…。


牧田さんと、そうなるかもしれないし…。


そうなったら、私…“良かったね”って眞紘くんに笑顔で言えるのかな…?


温かい気持ちで祝福できるかな…?


胸がギュッと何かに掴まれたかのように苦しくなる。


熱くなる目頭。


視界が淡く滲み出した途端、頬に雫が伝うのを感じた。