「史音!あれはどこに置いてるの?!」


「玄関から出てすぐのところだ!」


「了解!」


勢いよく開けた扉の先には、キレイに整備されている史音のバイク。


「依亜!」


史音によって投げられた私専用のヘルメットを受け取り、それをつけると史音の後ろに跨る。


腰に手を回すと、それを合図にバイクは発車する。


時間が時間だからか、裏道を使ってはスピードを出す史音。


でもちゃんと表に出るとスピードを落としてる。


さすが史音。


ぎゅっと史音の背中に抱きつく。


この背中はいつも私に安心をくれる。


大切な人…。