「はぁい。白原かぁ……入って」

華栄隊長は家の中なのにチャイナドレスを着ている。化粧しているから唇がテカテカしていて、とても睫毛が長い。邪魔じゃないのかなと心配になるくらい。

家の中はとてもタバコ臭かった。早く帰りたい。

「白原は未成年だからタバコは駄目だよねぇ?めんどくさいなぁ何でこんな子供にするんだよ」

私だって早く帰りたい。けどやらなきゃいけないからこの空気も我慢している。
華栄隊長は文句を言いながら窓を開ける。それで空気がいくらかマシになった。

「それでぇ鋼打さんの出してきた書類はぁ?」

これですと渡す。どうでもいいけどこの人の話し方変わってるな……

「まためんどくさい仕事を……僕が集めた情報によってはまたデカイ作戦が来るかもねぇ」

ん?僕?え……

「あの……今僕って……」

「ああ、白原は知らなかったんだねぇ。僕は一応男、だけど女のつもり」

僕と言うまで気付かなかった。流石諜報部隊、凄いなあ……

華栄隊長の家を出た後、作戦について考えた。華栄隊長が集めた情報によってもし空操禁書討伐作戦を行うことになったら……何故か嫌な予感がする。