ラリマーに視てもらうと、扶桑は空操禁書に操られていたことがわかった。しかし、元帥たちはそれを認めようとしなかった。

「空操禁書のせいにするとは……自分の行いを反省しないのか」

「違います!扶桑さんはその時の記憶が全くなかったんです!本当に……」

「黙れ!」

三笠が弁護したが、扶桑たちは辞めさせられることになった。

「私、納得いかない……何で……」

「もういい、扶桑さんがいつもと違うことに気付いていたのに、従ってしまったのは私だ。……このことは、朝日には言うな」

朝日は今、自分の部屋にいる。この会話は聞こえていない。初瀬も実誉もいなくなり、今残っているのは朝日と三笠だけになった。

「怪我には気をつけろ。事故を起こしても旗艦を代わってやれないからな」

実誉はそう言って三笠の頭を撫でた。昔、誰かの火遊びが原因で戦艦三笠は沈没したことがある。そのとき、敷島が代わりに旗艦になった。それから三笠は火遊びを厳しく禁止するようになった。

「もうさせないよっ!三笠はあのときより大人になったもん!」

三笠はつい昔の口調に戻ってしまった。

「そうか」

実誉はそう言った三笠を見て安心した。そして、実誉は去っていった。