「作戦終了だってさ!みんな、帰ろう!」

私がが呼びかけると、やったーと言う声があちこちで聞こえる。千歳は大丈夫だろうか?多分大丈夫か。

千歳が着艦していないか確認しようと生駒を見てみたが、目が悪いので見えない。しょうがない、陸に戻ってから確認しよう。

そう思った時、飛行機の音が聞こえる。後ろを振り返ると、千歳が生駒に向かっているところだった。夕日が眩しくよく見えなかったが、千歳だと一発で分かった。頑張れ千歳!ここで着艦出来たら帰れるよ!

「私たちが後ろにいること、気付いていないようですね。これだから祈望軍は……」

「それより解明さん、あの子どうします?ろくに攻撃出来ないし見逃しますか?」

「いや、実はこっちの攻撃を阻害してきた。まだ足りないところもあるが、成長したら厄介な存在になるだろう。よし、消せ」

空操禁書が狙っていることは、千歳を見ていた朝日くらいにしか分からなかった。千歳はそれに気付かず、朝日に笑顔を見せている。

「千歳、後ろぉ!」


叫んだが、千歳は空操禁書の閃光によって撃墜された。血のように真っ赤な夕日が、バラバラになった機体と笑っている空操禁書を照らした。