私が隊長の新部隊が作られたらしい。隊員が揃うまで待っていてほしいと言われ飛行場の近くで待っている。そう言えば、この飛行場には天才がいると噂されてたな。
あの飛行機、誰が操縦しているんだろう。皆に注目されている。まさか、天才と呼ばれている人が……

「さすがだな、竹林。完璧だったぞ」

「ありがとうございます」

竹林という人は飛行機から降りた後もゴーグルを外さなかった。何か理由があるのかな?
手を振っている友達の方へ真っすぐ進み、そしてゴーグルを外した。綺麗な目で、睫毛が長くて……私は竹林さんを今まで見てきた男の人の中で1番かっこいい、いや美しいと思った。ずっと見ていると何故か恥ずかしくなって目を逸らしてしまう。顔が熱くなって、心臓の鼓動が速くなる。

「美理矢、ゴーグル外して大丈夫なのか?」

名前は美理矢かあ……美理矢!?もしかして女の子なの!?

「えっと……僕はこのゴーグル気に入っているけど……でも君は僕の目を綺麗って……もっと見ていたいって言う。だから、君の前では外すことにしたんだ」

笑顔で美理矢君が言う。えっと……聞きたいことが山ほどある……僕って言ったよね!?そして多分男の子にあんなこと言ったよね!?何、どういう関係!?もしかして、女の子だけど僕って言ってるの!?それともあっちが女の子なの!?それともそういうのにびっくりした私が異常なの!?誰か教えて、空操禁書でもいいから!

脳内が混沌と化してどんどん訳が分からなくなってくる。しまいには暴れ始めてしまった。

「桃心~全員来たから……桃心何してるの!?」

「助けて菜の花ちゃん!」

私を呼びに来てくれた菜の花ちゃんにしがみつき、さっきあったことを説明する。

「なるほど~大丈夫、2人は友達だよ」

菜の花ちゃんの言葉で少し落ち着いた。

「でも、あまりにも仲がいいから誤解する人多いんだよね」

良かった……暴れて喉も乾いたからお茶を飲もう。

「もしかして桃心、美理矢のこと好きになったの?」

菜の花ちゃんの衝撃的な質問のせいで、盛大にお茶を吹いてしまった。