「桃心、空操禁書だよ!」

「わかってる。とうとうこの時が来た……」

白旗を構え、力を込める。空操禁書が飛び、桃心を上空から見下ろした後急降下する。

「白旗、理想の世界の実現のために消えてもらうよ!」

空操禁書が手を突き出し、叫ぶ。白旗を空操禁書に向けてこう思った。

理想の世界って一体何!?人を傷つけてまで実現したいの!?

空操禁書が近づく。来ないで!そう思い、つい目を瞑ってしまう。直後に、体が押される。空操禁書に攻撃されたのかなと思ったけど違うらしい。目を開けると空操禁書が吹き飛んでいた。私は旗の力に耐えきれずこうなったらしい。

「やはり、始祖の本じゃないと無理か」

突然現れた女の子が吹き飛ばされた空操禁書を受け止め、そう言った。

「あなたも空操禁書なのですか!?」

「正解。今日はこれで撤退するよ」

もう一つの空操禁書はニヤリと笑い飛び去っていく。

「魔術部隊!追いかけるよ!」

追いかけようとするマーリンを視響が止める。

「危険です、後は海軍に任せましょう」


海では、多くの軍艦が空操禁書を攻撃していた。

「面倒だな、帰る途中なのに……でも、今減らしておいたら後から楽になるかも」

解明の本が砲弾を掴み投げた。そして投げられた砲弾は軍艦に当たる。

「どういうことだ!?」

「砲弾を掴むなんて……」

「とにかく乗組員を救助しろ!」

混乱している間に空操禁書は逃げた。歴史に残る第1次空操禁書討伐作戦は失敗に終わった。