無事帰還して、紫邦さんを病院に連れて行った。

「奇跡だわ……あの病気が治っている……」

お医者さんがそう言うと、周りが騒がしくなった。そして、何があったのかいろいろ聞かれて大変だった。

「お疲れ、桃心……」

「なんか凄い人いっぱい来た……」

疲れたけど、役に立ててないと思っていた私が役に立てたのがわかったのが嬉しかった。

「なんか、凄い有名になったね……」

愛恩が暗い顔で言う。

「そうかな?3日もしたら落ち着くと思うよ。それに、愛恩もかなり注目されてるよ」

愛恩は相手がどんなに早くてもデータを撮り逃すことが無く、上官たちからも評価されていた。

「そっか……そうだと嬉しいな……」

少し恥ずかしそうに笑いながら、愛恩が言った。