「ふぁーまただめだったよー」

愛は原案を机に置き、私の隣に座る。

「はい皆~ちゃんと頑張って!」

「頑張らないとメッキ塗装するよ~」

向こうではネリアとリリンが集中力が切れ始める新兵を元に戻している。

「うわー今日の報告多すぎる」

「やベー何もやってねー」

班長の水城は紙に報告をまとめる。由里はいそいで原案をかく。いつもと変わらない。けど、このいつもと変わらないことが徐々に私を壊していった。


「すごーい!これ湯山さんが作ったの?」

「うん」

ストーリィの整備中、そんな会話が聞こえた。湯山さんとは卒業試験で優秀な試験を残した人だ。そんな湯山さんと隣になりやすいのだが、冴えない自分がもっと悪く見えて嫌だった。湯山さんは本職の私よりメッキ塗装が上手い。メッキ塗装以外でも湯山さんは私の上を行く。世の中には、才能というものが存在するということを知った。