急いで二人を送り届け、春夏は去って行く。

「もう行ってしまったようですね、急ぎましょう!」

港ではなくマスターがいる場所に近い所で降りた。二人は走って小高い丘を登った。

「水華さーん、蜜柑ちゃーん、こっちー!」

白旗を振って桃心は場所を知らせる。何故か、桃心たちは空を飛んでいた。白旗を振っているうちに桃心たちの体が浮き始めたのだ。
すると、白旗から出るエルピスが二人の元に行き、体を浮かせる。

「なっなんですか!?」

水華は驚いたが、蜜柑は平気そうにしている。そのまま桃心の元に運ばれた。

「で、何をすればいいのかな?」

蜜柑が聞いた。

「空操禁書が倒せるように祈ってくれたらいいよ」

予言によると、そうすることで空操禁書の災いから逃れることができるという。

「……見つけた、気を付けてね」

桃心の視線の先には、空操禁書のマスターがいた。血のように紅い瞳で、微笑んでいた。