「鸚緑さん!」

大きな池の近くにいるところを見つけた。池ではカイツブリが泳いでいた。

「何?」

「鸚緑さんが夜空さんを嫌う原因は、鸊鷉事件ですか!?」

鸚緑さんは否定しず、ただ驚いていた。

「……まさか、隊長がそんなこと知ってるなんてね。もしかして調べたの?」

笑っているようにも見えるけど、私には諦めが見えた。

「水華さんに聞きました」

「ふーん、あの子やっぱり他の子とは違うと思ってたけど……意外だったなぁ」

鸚緑さんは、緑色の髪を触るのをやめて前を向いた。

「そうだよ。死んだの、その事件でねぇ……私の友達が」

ここにはいない夜空さんを睨むような、憎むような目だった。

あの事件の日、ある重巡洋艦が興奮状態のラストによる激しい攻撃に襲われた。そこで、夜空さんが助けに行こうと言った。夜空さんがいた重巡洋艦は無傷だったけど、軽巡洋艦鳰湖は中破していて、水雷艇冠鳰は興奮状態のラストと戦えるほどの力はなかった。

ニ隻の艦長は戦えないので撤退するが、援軍も呼ぶと言った。それでも、夜空さんは間にあわないから三隻で助けに行こうと言った。最後は早くに助けないと死傷者が出るという意見に賛成し、三隻で助けに行くことになった。

三隻が接近した時、まず軽巡洋艦が攻撃を受けてしまった。次に、水雷艇がラストの攻撃を避けようとした。しかし、重武装でバランスが悪い冠鳰は転覆してしまった。

その後、突然ラストが通常に戻り、重巡洋艦は助かった。すぐに救援を要請し、助かった重巡洋艦は水雷艇を曳航した。しかし、軽巡洋艦は沈むのが早く、多くの人が助からなかった。助かった人は夜空さんがいた重巡洋艦に乗った。